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失業中にヴァカンス?

  今、日本は派遣など非正規雇用の人びとの契約解除が相次ぎ、労働者をどう保護するかに注目が集まっています。そこで思うことは、日本人の「働かざる者食うべからず」の精神です。欧米諸国には、この考え方が存在しないからです。早く仕事を切り上げ、人生を楽しみたい彼らには働くことは宗教ではありません。

 

  日本の政務次官かなにかが、派遣切りされた労働者が年越しのために収容施設に集まっている姿を見て「本当に真面目に働こうとしている者が集まっているのか」と発言して、問題になったようですが、この発言の背後には、やはり「働かざる者食うべからず」との認識があるからだと思います。

 

  欧州大国では、失業者を手厚く保護する制度が長年ありますが、子供が少なく、高給を取っている人たちには大きな税負担があります。日本的には「一生懸命働いた者の金が、働かない者(失業者)に支払われるのは許せない」となるのでしょうが、欧州ではキリスト教や社会民主主義の伝統から、弱者救済は善行との考えがあるのでコンセンサスがあります。

 

  失業すれば、手厚い失業保険で数年は遊んで暮らせるという見方がありますが、働くこと自体が宗教化している日本と違い、誰もそれを責めようとはしません。私の友人のオリビエなどは、管理職失業者で、ゴルフ三昧の日々を送っていました。

 

  6年ほど前に失業した友人のピエールは当時、仏版ハローワーク(ANPE)に登録し、同時に人材会社にも登録しました。前の会社に5年いたため、失業手当ては、徐々に減額されてはいきますが、当初は、受け取っていた給料の約7割を受け取り、社会保険料などの支払いは国が肩代わりしていました。2年間は仕事なしで余裕で生活し、ヴァカンスにも行っていました。

 

  再就職のための職業訓練プログラムは充実しており、ある在仏の日本人は失業後、フランス語が十分でないことが再就職を難しくしていると判断され、2年間も無料でフランス語研修を受けました。彼女は2年後、旅行代理店に再就職しました。

 

  フランスでは派遣労働制度には積極的ではありません。それは労働者を守れないという認識が強いことと、雇用制度と社会保障制度が深くリンクしているからです。逆に言えば、雇用に柔軟性がなく、経営者側には不利ですが、経営者も労働者ですから、二重の立場であることへの認識は明確にあります。

 

  雇用制度に柔軟性がないと失業率は高くなるわけですが、失業者のセーフティーネットがしっかりしていれば、社会不安に陥る可能性も高くはありません。無論、そのネットにも引っかからないアラブ系移民の若者などが暴動を起こすこともありますが、これは違う問題とも言えます。

 

 



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